通常の先物との違い
通常の先物は満期に向けて価格が現物に収束するが、永久先物は満期そのものがないため、収束を促す機構としてファンディングレートが導入されている。これにより理論上は永久に保有可能だが、実務では強制ロスカットの存在により口座資金が一定水準を割れば自動決済される。証拠金通貨も USDT 建て (Linear)・コイン建て (Inverse) の 2 種類があり、損益計算の通貨単位が異なる。
Mark Price と Last Price
永久先物では強制ロスカットの判定に「Last Price (直近約定価格)」ではなく「Mark Price (公正価格)」を使用するのが一般的である。Mark Price は複数取引所の現物指数に未実現ファンディングを加減した値で、特定の取引所だけで起きた瞬間的な価格急変によるロスカット連鎖を抑制する設計になっている。一方、約定や Profit and Loss は Last Price ベースで計算されるため、Mark と Last の乖離が大きい瞬間には想定外のスリッページが発生しうる。
リスクとしての永久先物
永久先物は高レバレッジを許容するため、強制ロスカットの集中によるカスケード下落 (フラッシュクラッシュ) が定期的に発生する。2021 年 5 月や 2022 年 5 月の暗号資産急落局面では、永久先物のロスカット規模が 24 時間で USD 100 億を超えたケースもある。短期トレーダーにとっては機会だが、中長期保有を目的とする運用では、レバレッジを 1-2 倍程度に抑えるか、Mark Price ベースのロスカット余裕を 30-50% 確保する設計が推奨される。